📝 この記事でわかること
- 1〜5室規模で月額が公開されているのはBeds24・ねっぱん・aiPassの3社だけで、Hotelsmartと手間いらずは要問い合わせ
- Beds24は接続チャネル数で料金が積み上がり、ねっぱんは5室以下・6室以上の室数区分だけで決まるという課金構造の違いがある
- チェックインまで無人化したいなら、aiPassかHotelsmartのようにPMSと鍵・精算が一体になっているかが料金以上に重要になる
Airbnbと楽天と自社サイト、在庫を手で合わせるのが限界になったとき
1室でも5室でも、販売チャネルが3つを超えたところで手作業は破綻する。カレンダーを3画面開いて、片方を埋めたらもう片方を閉じる。その往復に週何時間か持っていかれ、しかも一度でも閉じ忘れればダブルブッキングが出る。
ここで知りたいのは「DXとは何か」ではなく、月いくら払えばこの往復が消えるか、である。そこでこの記事では、公開料金がある会社を先に並べる。1〜5室規模で月額がはっきりしているのは Beds24 と ねっぱん、そして下限が示されている aiPass の3つ。残りは要問い合わせだ。
月額が公開されている社と、問い合わせないとわからない社
Beds24 の基本料金は €15.50/月から。賃貸ユニット数に応じた従量制で、これに接続するチャネルごとに €0.55/月、スタッフを1人増やすたびに €2.00/月が積み上がる。SMS送信は €0.10/通、独自ドメインで見せるプライベートラベルが €19.00/月。
この積み上げ方が、小規模にとっては素直に効く。Airbnb・Booking.com・自社サイトの3接続なら €1.65/月しか乗らないので、ベース料金にほぼ近い額で運用が始まる。逆に言えば、チャネルを10も20も持つ大箱ほど旨味は薄れていく仕組みだ。
もうひとつ、Beds24 の公式が明記しているのが「契約なし・最低利用期間なし・初期費用なし」。無料トライアルもカード登録不要で始められる。合わないと思った月にやめられるということで、初期投資を回収するために我慢して使い続ける、という事態が構造的に起きない。ただし €50 未満の支払いには手数料がかかるので、月額が小さい宿ほど、支払いのまとめ方を公式で確認しておきたい。
ねっぱんは料金の切り方が単純だ。5室以下なら月6,600円、6室以上で10,780円(いずれも税込)。初期設定料はかからない。5室と6室の間に約4,000円の段差があるので、5室ぴったりで運用している宿が1室増やすかどうかを考えるときは、この段差も計算に入れておきたい。
オプションは必要になった分だけ足す形になる。電話予約オプションが初期11,000円・月額1,100円(5室以下)、PMS連携は1WAYで初期11,000円・月額1,100〜3,300円、2WAYになると初期3,300円・月額6,600円。セルフチェックイン連携は初期11,000円・月額3,300〜6,600円だ。2WAY連携を足すと本体と合わせて月13,200円になる計算で、これは「PMSを別に持っている宿がねっぱんを繋ぐ」ときの値段だと理解しておくといい。
aiPass は月額2.5万円からで、室数とプラグインで変動する。初期費用は新規5万円、他システムからの移行なら10万円。1〜5室の宿にとっては上の2社より一段高い水準だが、この金額にスマートチェックインとゲスト専用アプリが含まれる点が効いてくる。
Hotelsmart と 手間いらず(TEMAIRAZU)は料金を公開していない。どちらも資料請求・問い合わせからのスタートになる。
日本語で完結するか、英語の管理画面を受け入れるか
ねっぱん・aiPass・Hotelsmart・手間いらずは国内提供のサービスで、管理画面もサポートも日本語で動く。
Beds24 については、日本語サポートの有無が公式サイトに記載されていない。つまり「ない」とも「ある」とも書けない状態で、ここは契約前に自分で確認すべき項目だ。カード不要のトライアルがあるのだから、まず触ってみて、管理画面の言語と問い合わせ窓口の反応を自分の目で見るのが早い。
この差は、トラブルが起きた日の対応速度に直結する。在庫が同期されずダブルブッキングが出た夜、日本語で電話できる相手がいるかどうかは、月数千円の差より重い場面がある。逆に、ふだんOTAの管理画面を英語で操作している人にとっては、ほぼ何の障害にもならない。
チェックインまで無人にしたいなら、話は料金だけで終わらない
1〜5室の宿でスタッフを常駐させないなら、PMSと鍵・精算の接続点が最大の関心事になる。
Hotelsmart はクラウド型PMSに、セルフチェックイン、自社予約エンジン、自動精算機、デジタルガイド、キャンセル料の自動請求までを一体で持っている。24時間コールセンターがあり、Airbnb連携もある。戸建てを含む小規模から全国チェーンまでを対象にしていて、公式は全国4,500施設・75,000室以上の導入実績を掲げる。無人運営で夜間に問い合わせが来たとき、24時間の窓口が最初からある構成だと考えればいい。キャンセル料の自動請求が同じ仕組みの中にあるのも、直前キャンセルを都度手作業で処理している宿には地味に大きい。
aiPass はクラウドPMSとスマートチェックインが最初から一体で、ゲスト専用アプリまで含む。グランピングやホステル、アパートメント型を対象規模に挙げており、公式は導入50,000室以上・継続率99%以上としている。継続率が高いということは、入れた宿が運用に乗せられている証拠でもある。
Beds24 は PMS とチャネルマネージャーの両方を1つで持つ。公式の料金表にセルフチェックインや精算機の項目は無いので、無人化したい場合は鍵側との組み合わせを自分で設計することになる。ねっぱんはサイトコントローラーが本体で、セルフチェックイン連携はオプション(初期11,000円・月額3,300〜6,600円)という位置づけだ。
| サービス | 1〜5室の月額 | 初期費用 | 日本語 | 無人運営との相性 |
| Beds24 | €15.50/月〜(+接続€0.55/月/接続、追加ユーザー€2.00/月) | なし | 公式に記載なし(要確認) | PMS+チャネルマネージャー(無人化機器の記載なし) |
| ねっぱん | 6,600円(税込) | 初期設定料なし | 国内提供 | セルフチェックイン連携はオプション(初期11,000円・月額3,300〜6,600円) |
| aiPass | 2.5万円〜(室数・プラグインで変動) | 新規5万円/移行10万円 | 国内提供 | スマートチェックイン・ゲストアプリ一体 |
| Hotelsmart | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 国内提供 | セルフチェックイン・自動精算機・キャンセル料自動請求が一体、24時間コールセンター |
| 手間いらず(手間いらずmini) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 国内提供 | 在庫・料金・予約の一元管理(システム連携数300以上) |
で、結局どれか。英語の管理画面が苦にならず、費用を最小にしたいなら Beds24。契約期間の縛りも初期費用もないので、判断を先送りするコストがほぼゼロという点で試しやすい。日本語で確実に、月6,600円から始めたいなら ねっぱん。稼働実績9,000施設という規模は、OTA側とのつなぎ込みで困ったときに前例がある確率の高さでもある。チェックインまで無人化したいなら aiPass か Hotelsmart に問い合わせる。aiPass は下限が月2.5万円と分かっているぶん予算の当たりがつけやすく、Hotelsmart は料金が出ていないかわりに戸建て対応と精算・コールセンターまで一体という構成で、無人の戸建てを複数持つ形にはまりやすい。複数施設をまとめて管理していて連携先が多いなら、手間いらずmini の見積もりも取っておく価値がある。
自分の条件で見積もりが変わる3つの分岐
チャネル数が多いか少ないか
Beds24 は接続ごとに €0.55/月が乗る。3つなら誤差だが、OTAを増やすほど月額はじわじわ上がる。一方、ねっぱんの公開料金は室数区分だけで、チャネル数ごとの課金は料金表に無い。チャネルを積極的に広げる方針なら、この課金構造の違いがそのまま年間の差になる。
PMSをすでに持っているか
会計や顧客管理を別システムでやっているなら、ねっぱんのPMS連携オプションが判断材料になる。1WAYと2WAYで月額が1,100〜3,300円と6,600円に分かれていて、在庫を双方向で同期させるほど費用は上がる。Beds24 のように PMS とチャネルマネージャーが最初から1つになっている形なら、この連携費用そのものが発生しない。PMS・サイトコントローラーの公開料金を横並びにした比較表も合わせて見ておくと、自分の構成に近い組み合わせが見つけやすい。
清掃と精算をどこまで巻き取るか
民泊の場合、在庫同期が片付くと次に効いてくるのが清掃手配とクリーニング費の精算だ。予約が入った瞬間に清掃を手配する流れを作れるかどうかで、無人運営の実質的な手間は変わる。この領域は PMS 単体では解決しないので、クリーニング費用を自動計算できる管理システムや清掃業務の管理アプリを別枠で検討することになる。
見積もりを取る前に、手元で数えておくこと
どの社に問い合わせても、最初に聞かれるのは室数と販売チャネルだ。Beds24 なら接続数がそのまま料金に乗るし、ねっぱんなら5室以下か6室以上かで区分が変わる。aiPass と Hotelsmart では、その室数とチャネル数が見積もりの前提になる。
だから、比較サイトを何周もするより先にやることがある。いま使っている予約サイトを全部書き出して、接続数を数える。
📋 この記事で比較したサービス(公式サイト)
「どれが自館に合うか決められない」「導入したが使いこなせていない」といった相談は編集部へ。条件を伺って、合いそうな会社の窓口までご案内します(各システムの操作・設定そのものは各社のサポートが最短です)。自社サイトからの予約を増やす・広告の出し方を見直す相談も同じ窓口で。
よくある質問
Q. うちは3室で、OTAは2つと自社サイトだけです。それでもBeds24を入れる意味ありますか
A. 3接続なら追加費用は月€1.65程度で、基本料金の€15.50/月とほぼ変わらない額で始められます。契約期間の縛りも初期費用もないので、まず無料トライアルで試すのが早いです。
Q. ねっぱんは6室になったら料金は変わりますか
A. 変わります。5室以下は月6,600円、6室以上は月10,780円(税込)です。
Q. Beds24は日本語で電話サポートしてもらえますか
A. 公式サイトに日本語サポートの有無は明記されていません。カード登録不要の無料トライアルがあるので、契約前に管理画面の言語やサポート窓口の反応を自分で確認しておくことをおすすめします。

この記事を書いた人: 宿DX編集部
宿泊施設の集客支援(広告運用)を仕事にしている30代が編集しています。宿泊施設の運営者ではありません。広告運用の実務で旅館・民泊事業者の予約導線に日常的に関わる立場から、PMS・サイトコントローラー・レベニューマネジメント・無人チェックイン等のツールを「費用感・規模別の向き不向き・運用工数」の観点で比較しています。特定ベンダーからの寄稿は受けていませんが、一部のサービスとは業務上の関係があります。
運営者情報 ・ お問い合わせ